〈連載〉学生広報
2022.7.23
インタビューVol.1
「唐澤太輔准教授と粘菌研究クラブ」
秋田公立美術大学開学10周年企画
「テントテン」
インタビューVol.1「唐澤太輔准教授と粘菌研究クラブ」
この企画では秋美に関わる様々な⼈に取材し、その⼈のこれまでとこれからの10年を探り、さらには点と点を繋ぐように秋美のこれまでの10年とこれからの10年を⾒出していきます。
第⼀回⽬となる今回は粘菌研究クラブの⽣みの親でもある唐澤太輔准教授にインタビューします。唐澤先⽣は博物学者、⺠俗学者、⽣物学者として知られた「知の巨⼈」南⽅熊楠の思想について研究しています。その中で、南⽅熊楠が研究していた「粘菌」という⽣き物が唐澤先⽣を惹きつけました。
粘菌とは動物でも植物でもなく、実は菌類とも異なる不思議な⽣き物。菌類とはキノコやカビなどのことを指し、細菌は乳酸菌とか⼤腸菌などを指します。彼らは粘菌とは全く異なる⽣き物です。粘菌はその名の通りネバネバしたアメーバ状の姿をしています。ですがそれは彼らの⼀部にすぎません。彼らはやがてキノコにも似た「⼦実体」という姿になり、胞⼦を⾶ばして⼦孫を残すための準備に⼊ります。彼らは餌を求めるときには動物のように動き回り、胞⼦を⾶ばすときにはキノコや植物のように⽴ち⽌まる。粘菌は実に不思議な⽣き物なんです。
↑さまざまな粘菌。キノコのような子実体とアメーバのような変形体の姿をとり、変形菌とも呼ばれるが菌類ではない。
写真提供:唐澤太輔
そんな粘菌について調べる唐澤先⽣ですが、その肩書きは”哲学者”。どうして粘菌について知ることが哲学をすることと繋がるのでしょう?南⽅熊楠や粘菌を研究し哲学する、唐澤先⽣の思考の⼀端に触れてみましょう。
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