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〈連載〉学生広報

2023.2.9

インタビューVol.5

「唐澤太輔准教授と粘菌研究クラブ」

話題は再び粘菌研究クラブへ……

K:また粘菌研究クラブでもなんかやりたいなと。夜中にペンライト持って大人数でオタ芸とか。上空から撮ったら粘菌みたいに見えないかな。
H:おもしろいですね。粘菌研究クラブで制作された映像作品「粘菌研究」にも似ていますね。あの映像作品は大きな変化をもたらしたと思います。

K:あれでいろいろ広がりました。あの作品はアウラ現代藝術振興財団にコレクションされたんです。あの作品は学部生の山田汐音さんが中心になって作りました。それから本格的にクラブに入ってくれて、いまでは中心メンバーとして活動を支えてくれています。
K:今後も映像は作っていきたいなと。
H:映像といえば、唐澤先生がFacebookに投稿されてる粘菌を顕微鏡で撮影した動画。早送りで淡々と粘菌の様子を撮影しているんですが、これは映像作品というものに接近しているなと感じていました。
映像を撮影するための準備をしたり、編集したりって結構な手間じゃないですか。そういう手間のかかる作業をやってしまっている時点で、やはりなにか湧き上がってくるものが唐澤先生の中にあるのかなと感じます。
K:僕ね、最近あれをしないと落ち着かないんだよ。手間なんだけれど楽しくてやってしまう。
H:それはもうアートですね(笑)生きる術としての芸術ですね。よく作家が止むに止まれず作るといいますけど、それに近くなっているのかなと。
K:そうですね。僕の場合は今それが粘菌を撮影することだけれど、人によってそれは詩を書くことであったりもするだろうし。止むに止まれぬ衝動でなにかをやるということはアートなんでしょうね。

H:Facebookでは映像の他に、毎回ものすごい量の文章もついてますよね、粘菌にまつわる考察が。

K:たしかにたくさん書いていますけど、その栄養源になってるのは粘菌ですからね。粘菌の物凄い力に支えられているということなんだろうな。粘菌と僕が出会ったのも偶然であり必然であるというか。大学体育館脇の資材置き場には巨大な朽木がいくつも置かれていて。そこに粘菌がいるんです。そこで僕は粘菌に出会った。こんなに身近にいるんだ、と。
実はこれらの木々は短大時代の記念樹なんです。しかし秋田公立美術大学に大学院が建設される際に伐採されてしまった。その木々が捨てられずに大学内に残っていてそれが粘菌にとって居心地の良い住処となっていた。藤先生が処分せずにとっておいてくれたと聞きました。
K:資材置き場で巨大なススホコリが輝いて見えましたね。光って見えたなぁ、あれは。何十年前、秋美が今の秋美じゃない頃に生えていた木が、今、僕の前に粘菌の住処としてあることに不思議な感動があります

H:秋美の過去とドラマチックにつながってきますよね。

K:木が記憶しているものっていうのはたくさんあり、さらにそれを粘菌が記憶していく。何十年という過去。それを僕が今研究しているんだなと感じます。
東京とかにはああいうふうに無造作に丸太が置かれている場所はなかなかないですからね。公園なんてみんな綺麗にしようとしてしまう。
H:綺麗というのが何か考えてしまいますね。

K:朽木みたいなものを取り払うことが本当に綺麗なのか。そこに発生するであろう黄色い粘菌の方がもっと美しいんじゃないか、とかね。

 

Vol.6へ続く